生命保険

結局、自分の資産は自己防衛が原理原則(生命保険編)

理想の代理店とは

一般社団法人生命保険協会のホームページに、代理店業務品質のあり方等に関するスタディーグループで話し合われた報告書が掲載されている。

各社の顧客本位の業務運営の後押しに資する代理店業務品質のあり方等に関する調査・研究を目的に、各保険会社・代理店に加え、消費者団体や当会顧問弁護士、金融庁等のご意見を聴く場として、「理想の代理店」とはどのようなものか議論したらしい。

参加者は次の通り。参加者一覧

顧客本位の業務運営(FD:フィデューシャリー・デューティー)とは。
国(金融庁)が国民の安定的な資産形成、投資者保護のために法改正を行ってきた。しかし国は、これらが最低基準となり、金融事業者による形式的・画一的な対応を助長してきたのではないかと考え、業務品質に対する機運が急速に高まった。

つまり、「法は守っているよ」と言う金融事業者に、国は「マナーが悪いから良くしてね」と言っているのだ。

保険という商品は、物がないからわかりにくい。しかも、お金(保険料)は払うが、商品(保険金)は給付事由が発生しないと貰えない。

建築であれば、建築基準法第一条に、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資するこ とを目的とする、とある。
そのため、建築基準法で定める(最低の基準)寸法で、例えば階段を作れば、その家を買った人は、2階に昇り降りするたびに、はしごを使わされている感覚になるだろう。

こんな家を建てる業者には誰も発注はしなくなる。

なぜなら、見ればわかるからだ。

保険の場合、給付事由が発生して初めてお金がもらえるのだが、古い契約体系だと対象にならないことがある。
がん保険であれば、昔は、癌で入院しなければ貰えない商品がある。今の治療法は通院で行う方法もあるので対象外となるのだ。顧客は知る由もない。

もちろん、最新のがん保険は、現在の治療法に合うように設計されている。
これを、「それならきちんと教えてくれれば乗り換えたのに!」と言ったところで、業者は法律違反をしたわけではない。

貯蓄性の保険であれば、保障もついて、かつ一定の期間保険料を払い続ければ、払った保険料より解約返戻金のほうが増えていて貯蓄をしたことになる。
しかし、一定の期間前に解約すると、解約返戻金は払った保険料より少なくなるし、外貨建てであれば為替損が発生することもある。

代理店の募集人は、必ずこのデメリットを説明はしているはずだが、契約者は説明を受けて何年もした後にこれらのことを覚えているのはまれだろう。
クレームを入れたところで、意向確認書という書類に、保険の特性について理解した、とサインしているので争っても100%負ける。
(意向確認書にサインしないと契約が成立しない)

なぜ、生保業界ではこのようなことが起こるのか

それは、利益相反になっているから

保険の販売は、①直販②代理店③銀行窓口と3つあるが、今回の場合は②。
保険会社は、代理店に販売を委託して契約を取っていく。

乗合代理店は、複数社の商品を顧客に提示することができる。
どの保険会社の商品を顧客に勧めるかは、顧客のニーズに合わせていくのであるが、商品によって手数料が違ってくる。

代理店の募集人は、顧客が支払う保険料から手数料を貰うのだが、同じ種類の保険でも保険会社によって、保険料の30%をくれるところもあれば、10%しかくれないところもある。
したがって、募集人は、手数料が高い商品を売りたくなるのは自然な流れだろう。これが利益相反たるゆえん。

また、代理店も経営の戦略として、顧客に一番の商品ではない、二番を売らなければならない場合も出てくる。
損保との絡みが強い代理店は、自然と損保系生保(ひまわりとか、あいおい等)を推奨してくる。経営を安定させるためだ。

顧客は保険会社と契約しているので、代理店がつぶれても契約そのものは有効だが、身近な手続き窓口がなくなるので不便をかけてしまう。

保険という性質上、長く、もっと言えば契約期間は解約してくれない方が、保険会社は利益が出る。
しかし、時代とともに顧客に合う商品が開発されるので、代理店としては新しい商品に乗り換えてもらった方が良い。売上になるからだ(一定期間内に乗り換えると手数料が発生しないルール有)

保険会社や代理店の戦略は、行き過ぎるとかんぽ生命のような大事件となってしまう。
バランスがとても難しいのだ。

第1回の議事録を読めばわかるが、保険会社、代理店、募集人にはそれぞれ利益追求の仕方がある。
また、顧客の最前線にいる、募集人の商品知識やコミュニケーション能力には、ばらつきが当然ある。

正直、保険会社や代理店は、金融庁の意向に逆らうことはできないので、会議に付き合っているが、コンプライアンスを締め付ければ締め付けるほど、現場は混乱するんだよね。

自己防衛しかない




「理想の代理店」を目指す、というのは、裏を返せば、、、そういう業界なのである。
結局のところ、国(金融庁)がいくら業界のけつをたたいても、顧客の苦情は減らないと思う(やらないよりかはましだけど)
損をするのは自分だから、それが嫌なら自分で調べて、損をしないようにするしかない。

生命保険は、経済的損失を被った時に補填できるようにしておくものだが、同時に資産さえ作ってしまえば保険はいらない。
子供が小さい世代は、保険も必要であるが、子供が社会人になるころには保険が必要ない状態にしておかないといけない。

生命保険が必要でない環境にしていくのがベストだろう。

ABOUT ME
とおる
人生のいろいろな事情を経験してきた50代。 社会に出て、最初の20年はとにかくお金に無頓着。なぜ自分がこんなことになっているのかすらわからない状態。その後約10年、生命保険代理店で法人担当の仕事を週7日で勤務。多くの経営者と接するうちに、失敗の原因が見えてきて、ビジネス書を読み漁るようになる。時々、政治や歴史書を織り交ぜながら。